組み立て

[05/07/06]初稿
■このページの趣旨
 基本的に,キットに添付されているマニュアル(英語)はとても分かりやすく書かれているため, このページはあまり存在意義が無いかもしれません.購入を検討している人 の参考になればという意味で,まとめてあります.

 なお,TerminatorII シリーズでは,従来の Terminator シリーズとはバラシ方やパーツの 取り付け方がかなり変更になっているので注意.

■組み立て作業の実際
■電源ユニットの設定
 とりあえず『電源ユニット』の電源電圧を,日本国内の100[V]で動く ように設定します(通電前でも良いのですが).

 電源ユニット後のシールを剥がして…

 赤いスライドスイッチを,写真のように『115』と確認できる 位置にスライドさせます.
■シャーシを外す
 まずはケース裏側のネジ3箇所(上,左,右)を外し,シャーシを後側に スライドさせます.
 後にスライドし切ったら,上側に持ち上げます.
 完全に外側を覆っていたシャーシを外すとこのようになります.
 横から見るとこのような感じ.

 Terminator シリーズ(以下,『T1』と略)ではシャーシの開け方が特殊であったり, 開けた後でさらにケースをアジの開きのようにパカッと開くなどする 必要がありましたが,TerminatorII シリーズ(以下,『T2』と略)ではオーソドックスな 形態になっています.そして内部空間も広く使えるようになっており, 特殊な構造でないためにケーブルの取り回しも楽に感じます.

 しかしその反面,ネジを沢山外さないといけないシチュエーション が多くなっており,これからの作業でもネジを外す作業は各所で出てきます.

 外したネジを無くさないように,作業中は気を付けてください.

■電源を外す
 再び比較になってしまいますが,T1 では,CPU や拡張カード取り付けを 行う際には,シャーシを外し,ケース裏側に固定されているACコネクタを 外し,アジの開きのようにケースを開けるだけで一通りのことが出来るように なっていました.しかし T2 では,電源を外さないと CPU 取り付けが出来 ません.また,その他の作業もしにくくなる位置に電源が配置されています ので,外してから各種作業を行う方が楽でしょう.

 電源を外すには,まず電源をケースに固定しているネジを1本外します. 写真中央部に写っているネジです.

 ネジを外した後,電源ユニットを上にスライドさせ,ユニット上部の 噛み合っている部分を外し,再び噛み合わないように手前に少しずらして おきます.
 上部が外れたら,ユニットを本体内部側にスライドさせます.すると ユニットを固定した部分が一通り外れます.なお,この状態ではまだ ケーブル類は接続されたままですので,ここで強引に引っ張らないでください.
 ATX電源ケーブルは向かって右上の所でばらけないようにループで 固定されています.このループはノッチで外れにくいようになってい ますので,丁寧に外し,ケーブルの拘束を解いてください.ループは 単に両面テープで貼り付けてあるだけですので,無理に引っ張ると ループがごそっと外れますので注意.
 購入直後の状態では,電源ユニットからは ATX電源(写真右奥), FDD(写真上),CPU 用の12Vコネクタ(写真左の黄色と黒の4本一組 になったケーブル)の3組が結線されています.これらを一通り外してください.

 なお,FDD の電源コネクタは逆挿しや,ずらして挿すようなことも 出来てしまう形状になっていますので,再び取り付けるときには充分 気を付けてください.私も昔,1回だけ 1pin ずらして挿してしまった ことがあり,そのときは電源の保護回路が電流供給停止に到るまでに 電源ケーブルが発熱でドロドロに溶け,しばらく室内に異臭が充満する なんてことになりました….それ以来,FDDにケーブルを挿すときには いつもドキドキしてます :-)

 一通り外すと,このように完全にケースから取り外しが出来ます.
 電源の背面側.メッシュ状に穴が空いており,通気性を良くしてあります.
 本体側.8[cm]ファンが取り付けられています.
 ファンの厚さは15[mm]です.静音性を求め,かつ風量を確保するためには 厚めのファンに換装することになるかと思います.換装するとしたら,電源 ユニットのシャーシと一体化しているファンガードをハンドニブラー等で 切除し,換装ファンを取り付け,針金状のファンガードを取り付ける形に すると良いと思います.ただ,ファンをどう固定するかは一工夫必要ですが….

 ちなみに電源ファンは静音も考慮されているようで,それ程うるさくはありません.

 電源からは ATX 電源*1,12Vコネクタ用*1,FDD用の4端子*1,一般の4端子の コネクタ*3(2本は分岐ケーブルで取り出している)が出ています.ベイを全て 埋めるのに必要な本数は満たしています(FDDを抜いてHDDにという場合は変換 か分岐ケーブルが必要ですが).

 電源のスペックは 200[W]
 IN:100〜127V/5A 200〜240V/3A
 Out: +12V:10A, +5V:21A, +3.3V:14A, +5VSB 2.0A, -12V:0.8A
■M/B ツアー
 M/B全景.中央に CPU ソケット,North Bridge (ヒートシンク付き)が 配置されたほぼ正方形の形状の M/B です.
 上部ドーターカードにはCGAEX Rev 1.02 とシルク印刷されとります.
 Socket754のアップ.右側には DIMM ソケット2本
 North Bridge の下には AGP (8x) と PCI スロット各1本づつ.そして その間に M/B の型番の K8ST Rev 1.02 のシルク印刷有り.
 South Bridge は DIMM ソケットの下.写真で言うと左下に内部 USB 結線用の 空きポートが見えます.
 M/B 右上には Winbond W83627EHF-A.Super I/O chipsetがあります. 温度センサなどのハードウエアモニタ機能も搭載.
 下に少し写っているのは FlashROM.
 M/B 左下に行くと,IEEE1394a 用の VIA の VT6307.右上の Realtek のチップは LAN の PHY (RTL8201CL)
■CPU とメモリーの取り付け
今回使用する Athlon64 3400+
ソケットのレバーを上げ…
方向を間違えないように CPU をセットし…
再びレバーを下ろして固定.
CPUファンを方向を間違えないように乗せ…
留め金を引っかけて…
留め金をカチッと固定.外れないかきちんと確認.
CPU ファンのケーブルを M/B 上のコネクタに接続

今回使用したメモリは PC3200 の 1GB DDR DIMM 2本.合計2GB.

マニュアルには色々と注意書きがなされているので,購入前にマニュアルを ダウンロードして確認しておく方が良いかもしれない.

方向を間違えないようにソケットへ奥まで挿してから固定ノッチを固定.
■光学ドライブとディスクの取り付け
T2 では,ドライブ類の取り付けは T1 と比較してかなり面倒です.

まず,光学ドライブを取り付けることにしますが,そのためにはフロントパネル を外す必要があります.フロントパネルは HDD 取り付け部の横に4箇所,黒い 爪が出ているので,まずはこれのロックを外して前にスライドさせ…

ケース上側の爪を折らないようにずらしていくと…
カコンと外れます.
フロントパネルを外した状態で正面からケースを見るとこのように なっています.
ここにドライブ(今回はLG 4163Bを使用)をスライドさせて押し込みます
光学ドライブ用に audio ケーブルが M/B から出ていますので,結線 します.IDE 接続の CD/DVD ドライブはデジタルでオーディオデータを転送できるため, 殆どこれを使うことは無いのですが,一応繋げておきます.
FDDの反対側のネジ穴からネジを通し,固定します.ネジはドライブに 付いていた4本を使用しました.本体に同梱されているミリネジは2本であり, マニュアルにも2本で固定のように書かれていますが,気分的なもので4本使用 して取り付けることにしました.

 本当は両側から2本ずつで固定した方が安定性があるとは思うのですが…

ちなみに5インチベイはこんな感じで蓋が被さるので,ドライブによっては イジェクトボタンが押せなかったり,トレイが引っかかってしまったりする場合 があるかもしれません.

また,私はトレーを戻す際にもイジェクトボタンを押して戻す 人なので,トレーをグッと押して引っ込ませるのには抵抗があります…


次に HDD を取り付けます.

T2では HDD を横方向に立て,ケース内の専用ステーに取り付ける必要があります. まずはこのステーを外すために,ケースとステーを固定しているネジを1本外します.

ネジを外した後,ステーをスライドさせてロックを外し…
取り外します.
このような方向で HDD をステーに本体付属のインチネジ4本で取り付けます.
ちなみに今回使用した日立製 S-ATA ディスクには,S-ATA 用電源コネクタの 他に,従来の4ピンの電源コネクタも併設されています.
同梱されている L型の S-ATA ケーブルを使用して…
ステーを取り付けた(ネジ止めも忘れずに)後に結線します.

 ちなみに写真では M/B 上の右側のポートに接続していますが,これは 間違いです.動かないわけではありませんが,S-ATA の2ポート目に接続される 形になってしまいます.写真の向かって左側に接続してください.

 あと,S-ATAケーブルが『L型』である理由は,このような接続形態である ためです.これが通常のストレートな形態のケーブルですと,ディスク側の コネクタが飛び出してしまい,ケースと干渉してしまいます.

 なお,写真中央部の青いコネクタは IDE ポートです.そしてその上の フラットケーブルが結線されているコネクタは FDD ポートです.

後は,光学ドライブにIDEケーブルを接続し,電源ケーブルなども 接続し,電源ユニットを取り付けてケースを取り付ければ完成です.

なお,S-ATA ディスク 用に『L型』の電源変換ケーブルも同梱されていますので,S-ATA タイプ の電源コネクタしか無い HDD の場合はこれを使用しましょう.私は通常の 4ピンタイプのコネクタを使用しました.これもL型になっているため, 写真のようにうまく収まります.

 写真を見ると,T1 と異なりケース正面下部に 3.5inch ベイが無いため, ケーブルの取り回しがスッキリしているのが分かるかと思います.

このように,CPUクーラーの上に大きく電源ユニットが被さる形になり ますが,同梱されている CPUクーラーを使用すると若干空間に余裕が出来ます.

 大まかに計測した感じでは,高さが 8[cm] ある CPU クーラーを使用すると ギリギリ収まる感じです.ただし高さがギリギリのクーラーを使用した場合, ファンへの吸/排気が厳しくなると思われます.

■動作確認
■通電チェック
 完成したら,電源を入れてきちんと動作するか確認しましょう.チェックポイン トは,きちんと起動画面(BIOS画面)が出るか,起動画面でCPUの種類や 動作クロック,メモリ容量,ディスク,CD-ROMは正しく認識されているかを見ます.


図 BIOS POST画面

(ん?後で気が付いたのですが,DRAM が 333MHz と表示されてる…. PowerNow! ベースの MT-32 のときは 400MHz と出てるのですが…)

 T2 の場合は電源にもファンが取り付けられていますので,ケースを開けたまま通電 しても問題ないでしょう.何かあったときに再び開けることになる場合がありますので, この状態で通電チェックをすることをお勧めします.

 なお,T2 の BIOS は MyLogo 機能があるため,普通に起動した場合はロゴ表示 (TerminatorII AE1 の画像とロゴがデカデカと画面一杯に表示されます)が邪魔をして BIOS の起動画面が拝めません.画面の指示通り『TABキー』を押してブートプロセスを 確認するか,『DELキー』を押して BIOS 画面中から各種接続デバイスなどが認識されて いるかを確認すると良いでしょう.


図 起動ロゴ画面
■OSのインストール時の注意点
 次に OS のインストールですが,ここでは少しコツがあります.

 BIOS 設定がデフォルトの場合,S-ATA に接続されたディスクは RAID 配下に置かれ, BIOS からは IDE デバイスとして直接見ることが出来ません.そのため,T2-AE1 に同梱 されているドライバディスクを用いて別の PC で RAID コントローラのドライバ FD を作成 してインストール時に読み込ませるか,BIOS 設定を変更して BIOS から IDE デバイスとして 見えるようにする必要があります.私は後者を選択しました.

 この設定を行うには,BIOS 設定の『Main』->『Onboard PCI S-ATA Controller』の設定値を 『RAID By Rom』から『IDE By Bios』に変更してください. ついでに起動デバイスの順番をこのときに変更しても良いでしょう. 『Boot』->『Boot Device Priority』の所で,FDD->CD/DVD-ROM->HDDの順でプライオリティを 設定しておくと良いと思います.



図 BIOSでRAIDの設定を変更

 最後に LBA48 に関してですが,RAID コントローラのドライバを読ませず,S-ATA ディスクを BIOS から IDE として見せる設定をした場合,ディスクはインストーラから 137[GB] の領域まで しか認識されません.私は元々パーティション分けする計画でおりましたので,32[GB]の領域を 切り,まずはここに OS をインストールし,一通りインストールが終わった後で残りの領域(約 220[GB])を1つのパーティションとして設定&フォーマットすることにしました.

 ちなみに私は Windows 2000 SP4 でのみ試しましたが,OSのインストール終了後も S-ATA RAID コントローラのドライバを入れるまでは 137[GB] までの領域までしか認識されませんでした. 『あれれ?』と,なる方がおられるかもしれませんので,一応書いておきます (レジストリを弄っても認識されず,一瞬焦ったことは内緒です :-P ).

■BIOS update,ドライバのインストール
 OS のインストール終了後,付属CD-ROMからドライバやユーティリティを入れていくことになる わけですが,ここでもいくつか注意点があります.

 おそらく購入時には BIOS が 0202 になっていると思いますが,0402 に上げておいた方が 良いでしょう.BIOSのイメージファイルは ここにあります.きちんと 検証したわけではないので誤った情報の可能性もありますが,BIOS が 0202 のときには, AGP Configuration で Share Memory を 128[MB] にすると,OS 起動画面以降で画面表示が崩れる ことがありました(殆どブラックアウト).他の要因が絡んでいる可能性も否定できませんが, 少なくとも BIOS update 後はこの設定にしてもこのような症状に陥ることは無くなりました.

 次にドライバインストールに関する注意点ですが,VGA ドライバだけは CD-ROM のインストーラ でインストールしてはいけません.Win2K でのみ発生する症状かもしれませんが,画面解像度 を XGA よりも大きく設定した場合,モニタの設定如何に関わらず,モニタの物理的な解像度が XGA として扱われるようになってしまいます(例: XGA の物理的な窓から, SXGA の論理的な解像度 を持つ画面を覗き込む形になる.低解像度の液晶パネルを持つ Note PC で大解像度の画面を設定 したときのような状態になる).

 ハードウエアウイザードが『新しいハードウエアを検出しました』と,来たときに,VGA ドライバ に関しては『CD-ROM 内でドライバを探す』オプションで検索させましょう.この方法でインストール すると,きちんとインストールされます(ただし,ガンマ調整等のユーティリティは自動では 入りませんので注意).

■まとめ
 K7DDR のリプレース用を考えて購入した T2-AE1 ですが,届いたのは金曜の朝. 金曜の深夜にワクワクしながら会社から帰って来て組み始めたのですが,何か 体調悪いなーとか思っていたら土日は39度の熱.医者にもらった薬を飲みながら, たまにベットから起き上がって設定をして,しんどくなったらまた横に…みたいな ことを,子供に飛びかかられつつ&嫁さんに白い目で見られつつしてました….

 まぁそれはさておき,久々に所有感を満足させられるマシンに出会えた感じです. 大きさ的には若干 T1 よりは拡大されているのですが,設置してみると全く気に なりません.また,開け閉めは大変ですが,内部の空間が広く取れる構造に なった点もポイント高し.Athlon64 が利用でき,S-ATA や IEEE1394 がオンボード で乗ってきたことも嬉しい限りです.

 病み上がり故 :-<, まだ完全には環境整備出来ていないのですが,TMPGEnc を 使用して MPEG2 ファイルの再エンコードをさせた感じでは,K7DDR + AthlonXP-M 2600+ を大幅に上回る体感速度でした.また,いくつか走らせてみた ベンチ結果も良好.これらに関してはまた別ページに後日まとめることにします.


 一方いくつか気になる点もありまして,まずは騒音.低負荷時には全く気に ならないのですが,高負荷を続けたときにはやはりそれなりの轟音になります. パフォーマンスと静音性のトレードオフの面もありますが,今後改善して行きたい ポイントです.

 これに関連してもう一つ気になる点もあります.付属 CD-ROM から Asus Probe をインストールして CPU や M/B 温度を監視しつつ『午後のこ〜だ』の耐久ベンチを 走らせてみたのですが,Q-Fan 機能によりファンの回転数の上がるタイミング と Asus Probe の報告する CPU or M/B 温度が連動(と,書くと語弊があるかも しれませんが,『ある閾値を越えたら』というポイントが今ひとつはっきりしない) していないように見受けられます.この道はいつか来た道…と,ばかりに SpeedFan を使用して温度センサを直接覗いてみたところ,センサに3番目のものが見付かり, CPU 温度よりも 5度近く高い温度を示していました.しかし,CPU 温度とほぼ連動 して上下するのですが,CPU ダイ上のサーマルダイオードを見ているときのような 急激な変化はありませんでした.この点に関しては,今後色々と調査する必要が ありそうです.

 最後にオンボード VGA に関する問題なのですが,Cool'n'Quiet をオンにして いると,クロックが変動したタイミングで画面に一瞬ノイズが乗ります.同様の 症状は K8S-MX でも報告例有り.気になると言えば気になるので,AGP に Video Card 挿そうかなぁと計画中です.ドライバ側のチューニングで何とかなるのであ れば嬉しいのですが….
 あと,Cool'n'Quiet 絡みといえば,I/O Data のキャプチャカードである GV-MVP/RX, RX2 等は C'nQが稼働しているとフリーズするという話も聞きます. 使用する拡張カードによっては何かと問題を抱えるかもしれない点にご注意を.


 最後の方で多くの気になる点や問題点を列挙する形になりましたが,これは 決して『ダメ出し』という意味ではありません.今後色々と調査しつつ問題解決/改善 して行きたいと考えています.あっさり動いて全く何も問題が出てこないと, それはそれでつまらいですし :-)

 何れにしても,手持ちの Terminator としては最強マシンが手に入った形になり ましたので,これからは重いジョブは K7DDR から T2-AE1 へシフトしていくことに なると思います.

# 早く Turion64 届かないかな…


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