本ページの趣旨
430TX chipset がまだまだ実用的なワケ
Intel最後のSocket7用Chipsetである430TXはかなり売れていたこともあり,
未だに現役で使われていることも多いだろう.スペックを改めて眺めてみると,
CPUやM/Bの温度センサが付けられたり,ファンの回転数の監視ができたり,
SDRAM(PC66)やUltraDMA/33に対応していたり,未だに現役で十分使えるスペック
である.ただしマイナス要素もあり,2次キャッシュは512KB積めるが,キャッシュ
可能なメモリの範囲は64MBまでだ.この辺りは一つ前の430HX chipsetの方がサー
バー向けということもあり,機能的には上だ.430HXはTAG RAMを付けることに
より,メインメモリ512MBまでキャッシュ可能だ.
Asus TX97-XEという Mother Board
430TXを積んだM/Bは多くのメーカーから出ていたが,その中でも,Asus製の
TX97シリーズはかなり売れたこともあり,今でも多くのユーザーがいると思われ
る.このシリーズは,AT/ATX,DIMM/SIMM+DIMM,オンボードAudioの有無等,数
多くのバリエーションがある.身近な所でわりとよく見かけたのは,TX97-XEや
TX97-Xであり,ATX仕様のオンボードAudio無しのモデルで,前者はSIMM,DIMMス
ロットを持ち,後者はDIMMスロットのみという構成だ.私はTX97-XEの初期のPCB
リビジョンであるRev1.04を使っている.
M/B上にシルク印刷されているPCBリビジョン
なお,M/Bは時期により,BIOSのようなソフト的な内容だけでなく,ハード的
な設計も変更されていることがある.一般にPCB(Printed Circuit Board:プリン
ト基板)リビジョンと呼ばれる番号で区別されているが,TX97-XEにもいくつかの
種類が存在し,大きく分けると,前期型と言えるRev.1.04と,中期型と言える
2.05以降,後期型のRev.3.01以降のものがある.後期型はK6-2の搭載を見越した
設計になっており,CPUの電源電圧やクロック倍率の取りうる範囲が広く設定さ
れている.一方初期型は基本的にはK6/233MHzまでの対応であり,それ以降のCPU
に関しては,マニュアルに設定方法の記載が無いだけでなく,クロック倍率に至っ
ては物理的に設定できない.しかし,M/B上をよく注意して観察すると,高倍
率に設定するための配線パターンは存在し,ジャンパが無いだけのようだ.
本ページの趣旨は,これを半田付けして配線し,高倍率のK6/K6-2シリーズを
搭載したり,正式にサポートされていなかった K6-2/K6-3シリーズを搭載し,
より少ない追加投資で最大限の効果を得ようというものである.TX97-XE以外の
Mother Board,TX97-XEのリビジョン1.04よりも後のものは本ページの設定がそ
のまま適用できないので,その点については十分注意して欲しい.
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