どのくらいパフォーマンスがアップするのか?


 参考までに,どのくらいパフォーマンスが上がるかをByte Benchmarkで計測し てみた.TX97-XEマシンはLinuxBOXとして使用しているので,HDBench等の Windows用ベンチマークソフトでは計測していない.

 なお,当初使用していたK6/200MHzおよびベースクロックとして100MHzが利用 可能なMVP3 chipset M/B(Mycomp TI5VG+),PentiumII/350マシン(P2B-N)での値 も計測したので,参考までに書いておく.

共通の環境としては SlackwareベースでLinux:2.0.34,IDE DiskとしてはDHEA 8GBを使用した.

Asus97-XE
Systemaridhr execfilepipe shellavg備考(SD:SDRAM,FP:FastPageDRAM)
430TX+K6/20012.916.3 14.731.727.717.8 20.2SD 64M(66*3)
430TX+K6-2/30019.723.8 16.249.638.520.5 28.1FP 64M(66*4.5)
430TX+K6-2/40026.228.8 14.047.645.720.6 30.5FP 64M(66*6)
26.228.814.348.7 47.021.531.1SD 64M
26.225.512.8 47.631.320.327.3 SD 128M
430TX+K6-2/45029.532.3 15.748.750.5 23.533.464M/FP(75*6)
29.432.316.0 50.953.424.234.4SD 64M
29.528.214.2 51.539.223.531.0SD 128M
430TX+K6-3/40026.230.616.8 47.262.322.834.3FP 64M(66*6)
26.230.118.447.160.8 23.534.3SD 64M
26.230.917.2 48.761.623.534.7SD 128M
430TX+K6-3/45029.434.720.5 48.968.826.538.2SD 64M(75*6)
29.433.820.050.9 69.426.038.3SD 128M
MyComp TI5VG+(MVP3)
Systemaridhr execfilepipe shellavg備考
MVP3+K6-2(300)19.724.521.0 31.441.926.827.5 SD 128M (100*3) (UDMA OFF)
MVP3+K6-2(400)26.332.224.8 51.652.831.836.6 SD 64MB(100*4)
26.332.224.755.2 50.231.836.7SD 128M
MVP3+K6-2(450)29.636.125.8 51.655.133.538.6SD 64MB(100*4.5)
29.636.126.155.2 55.233.839.3SD 128M
MVP3+K6-3(400)26.334.030.8 49.763.136.740.1SD 64MB(100*4)
26.334.031.856.1 64.136.841.5SD 128M
MVP3+K6-3(450)29.638.335.0 52.070.040.044.2SD 64MB(100*4.5)
29.638.334.655.5 71.640.144.9SD 128M
Asus P2B-N(440BX)
Systemaridhr execfilepipe shellavg備考
PentiumII 350MHz36.529.427.6 48.754.435.038.4SD 64M

略語の意味:
ariArithmetic Test (type = double)
dhr Dhrystone 2 without register variables
execExecl Throughput Test
fileFile Copy (30 seconds)
pipePipe-based Context Switching Test
shellShell scripts (8 concurrent)
SDSD-RAM
FPFastPage-DRAM

 グラフに関しては,同一のCPU設定において,FPRAM 64MB,SDRAM 64MB,SDRAM 128MB等,複数の状況でテストした場合には,その最もパフォーマンスの平均が 高いものをピックアップした.

考察とまとめ:

     
  1. TX97-XEにおいて,K6-2またはK6-3の高クロックなものにCPUを交換し,パ フォーマンスアップを図ることは可能である  
  2. 同クロックのK6-2,K6-3は,CPUの単位時間当たりの演算能力は同じ性能を 持つ  
  3. K6-3を使用することにより,データ処理やプログラム利用において,パフォー マンスアップを計ることが可能  
  4. TX97-XEにおいてK6-2からK6-3に移行した場合,同クロックであっても,約 50MHz分のパフォーマンスアップ  
  5. TX97-XEでは,64MB以上のメモリをキャッシュ出来ないため,128MBのメモ リを積むとかえって遅くなる  
  6. K6-3を使用した場合,上記のような状況であっても,メモリを多く積む方 がパフォーマンスが向上する  
  7. ベースクロック100MHzはかなり効果がある
  8. FP-DRAMからSDRAM(PC66)に移行する意味はあまり無い

 当たり前のことではあるが,ベンチマークの結果はあくまでも指標である. 通常の日常業務に近い使い方をする場合には,K6-3のメリットはさらに上がると 思われる.

後記('00/06):
 結局 AMD は K6-3 を生産中止にし,K6-2+,K6-3+はデスクトップ向けには販売 しない方針になった.そのため,現状購入可能な AMD 製デスクトッ プ用 Socket7 CPU は,K6-2の高クロック版のみとなった.


『Asus TX97-XE Rev1.04 で K6-2, K6-3 を使う』へ 戻る