CD-R/RW/DVD-R/RW/RAM 「DVD Multi」ドライブを使う1

■環境について
 当初 DVD Multi ドライブは BKi810E v3.3A で使用していたのですが, その後 Terminator Tualatin に移設しました.その関係で,本ページは 『BKi810活用メモ』,『Terminator活用メモ』の両方からリンクを張ってあります.
■DVD Multi ドライブ
■出そろった DVD Mult ドライブ
 DVD-R/RW/CD-RW コンボドライブを使う(ハード編) において,『2002年夏頃には,現段階での真打ちとも言える,日立製 GMA-4020B が リリースされる予定です』と,書きましたが,その他にも各社から続々と DVD Multi ドライブが発表/発売されました.GMA-4020B 発売当初はかなり品薄でしたが, 2003年4月現在,数多くの DVD Multi ドライブが潤沢に市場に出回っており, 入手性が劇的に改善されました.DVD-R ドライブ自体も,CD-R ドライブ同様, PC用周辺機器としての市民権を得たと言って良いでしょう.

 DVD Multi ドライブとは,『DVD Multi Drive Writable Version 1.0』に 対応したドライブを指し,同フォーラムで策定されている全ての物理フォーマットに 対応したドライブを意味します.ただし,DVD-RAM v2.0 (片面 4.7GB)メディアは,Type1〜Type4までの種類があり, カートリッジ入り,所謂殻付きのタイプが存在します.一部ドライブは殻付き のメディアは物理的に対応していません.

 また,一部ドライブは DVD-RAM には対応していませんが,その他は Multi ドライブと同じだけのメディアが扱えるドライブも多数販売されています.

 以下,代表的な DVD-R 書き込みに対応したドライブのスペック(各メディアの 対応状況,○倍速など)一覧を示します.

メーカー ドライブ名 DVD系 CD系 主な OEM メーカー等
-R -RW -RAM +R +RW -ROM -R -RW -ROM
日立LG GMA-4020B x2 x1 x2 × × x10 x12 x8 x32 I/O DVR-ABH2
ADTEC AD-DVDMA
Radius ATA07048
Logitec LDR-N21FU2
Panasonic LF-D521JD x2 x1 x2 × × x12 x12 x8 x32 メルコ DVRMR-221FB
Pioneer DVR-A04-J x2 x1 × × × x6 x8 x4 x24
Pioneer DVR-A05-J x4 x2 × × × x12 x16 x8 x32 I/O DVR-ABP4
メルコ DVR-42FB
エスティートレード DRW-AT5
TEAC DV-W50EK(ドライブユニットのみ Pioneer 製)
TOSHIBA SD-R5002 x2 x1 × × × x12 x16 x4/x10(HS) x40 メルコ DVR-21FB
SONY DRU-500A x4 x2 × x2.4 x2.4 x8 x24 x10 x32 メルコ DVM-4222FB
NEC ND-1300A x4 x2 × x4 x2.4 x12 x16 x10 x40 I/O DVR-ABN4
Panasonic LF-D321JD x1 × x2 × × x6 × × x24
TOSHIBA SD-R6012 x1 x1 × × × x8 x16 x10 x24
Pioneer DVR-K11 x2 x2 × × × x8 x16 x8 x24 I/O DVRP-iUP2

※書き込み可能メディアに関しては,書き込み/書き換えスピードを示しています.

※各ドライブ情報は,『DVD Multiドライブ』,『DVD-R/RWドライブ』, 『DVD±デュアルドライブ』,『DVD-R/RAMドライブ』,『スリムタイプ』で 色分けしています.

 どのドライブを購入するかは,用途によって選べば良いと思います.例えば DVD-RAM を利用する場合には『DVD Multi』または『DVD-R/RAM』ドライブの中 から選択する必要がありますが,DVD-R/RW および CD-R/RW のみが扱えれば良 いのであれば,『DVD-R/RW』または『DVD デュアル』ドライブの中から 選択可能です.DVD+R/+RWドライブは日本国内においては あまり普及しているとは言えず,あまり明るい材料も見えませんので, 新規に購入する場合は積極的に選択する必要は無いと思います.

 また,DVD-R は書き込み速度が今後 4倍速に移行すると考えられますので, 書き込み時間を短縮したい場合は,4倍速ドライブを選択すると良いと思います.

 その他,『DVD-RAM は要らない.できるだけ安く買いたい』という ことであれば,TOSHIBA SD-R5002 が 2万円をかなり割り込む価格で販売 されており,お勧めです.

 ちなみに日立LGからは,殻付き DVD-RAM 使用不可,DVD+RW 4倍速書き換え非対応 という2点のみしか欠点が見あたらない 最強に強まったドライブが6月に発売予定ですので, 待てるのであれば,これを待つ方が良いと思います.

6月発売予定の 日立LG GMA-4040B のスペック

メーカー ドライブ名 DVD系 CD系 備考
-R -RW -RAM +R +RW -ROM -R -RW -ROM
日立LG GMA-4040B
(GSA-4040B?)
x4 x2 x4 x4 x2.4 x12 x24 x16 x32 DVD±R/RW 読み込み:10倍速

 なお,DVD系の○倍速とCD系の○倍速は1倍速のレートが異なりますので, その点はご注意を.理論的には,DVD-R 4.7GB を焼く際に,2倍速で30分, 4倍速では15分程度の時間がかかります.CD-R ドライブを長年使われ てきた方であれば感覚的にお分かりになると思いますが,4倍速になるとか なり快適になり,8倍速でさらに若干快適に.そしてそれ以上の高速化は 感覚的な違いは殆ど無いといって良いと思います.今年中には8倍 速規格が策定 され,ドライブも発表されるかもしれないという噂もありますので,長期間 使用する予定のドライブを新規に購入するとしたら,今はちょっと微妙な 時期かもしれません.ただし,『○倍速書き込み』がきちんと発揮できる のは対応メディアを利用した場合のみです.台湾製メディアの場合, ドライブ/ファームウエアによっては 1倍速 でしか焼けない場合もあるので注意してください(仮に焼けたとしても,等速 で焼いた方が良いという話もありますが…).

 余談ですが,SONY DRU-500A は,DVD-R 書き込みは 4倍速ですが,DVD-R メディアの読み込みは 2倍速です.そのため,書き込み後にベリファイや コンペアを行う場合,少々辛い思いをするでしょう.

■DVD Multi ドライブの選択
 私は当初,DVD-R/RW/CD-RW コンボドライブを使う(ハード編)に 書いたように,Pioneer製の DVR-A03-J を使用していました.このドライブは DVD-R ドライブとして初めて一般小売りされたドライブでしたが,発売直後に 購入し,初物特価とも言える 10万近くもの大枚を叩いて購入しました.そして 数ヶ月後には4万円ほどで売られており,かなり悔しい思いをしました…

 現在はこのドライブ,諸々の事情により引退させていますが,DVD-R ドライブ を選択する上で気を付けなければならない事柄について,貴重な経験をさせてもら いました.簡単にまとめると,

    ・奥行きサイズが短いドライブを
    DVR-A03-J は奥行きが長いため,小型ケース内でのケーブルの取り回しがやや困難でした
    ・PIO接続はマシン動作が重くなるので,UDMA接続のタイプを
    PIO接続の場合,書き込みの最中に心配になるほどマシンが重くなります.また,HDD と同じラインに接続していると,HDDアクセスも引っ張られて重くなってしまいます
    ・消費電力が少なく,ファンレスのタイプを
    書き込み中の騒音もさることながら,その発熱は如何ともし難く,排熱がきちんとできない場合は不安定な状態になってしまいました
    ・多メディア対応のドライブは,ベイ数の有効利用が出来て便利
    やはりベイ数の限られている小型 PC で使用する場合,オールマイティなドライブはとても重宝します
    ・DVD-R メディアは製造メーカーによってかなり癖がある
    CD-R メディアはかなり品質のバラツキが『少なく』なって来ています.しかし,DVD-R メディアの場合,格安なメディアは博打に近いということが実感できました

 等です.これらを踏まえ,その後3台ほど DVD-R 書き込み対応ドライブを 購入し,現在使用しています.

メーカー 型番 現在使用している PC 備考
I/O Data DVR-ABH2 Terminator Tualatin 当初は BKi810E 3.3A で使用
Panasonic LF-D521JD Terminator K7DDR K7DDR の復活に伴って購入
Panasonic LF-D321JD ミドルタワーPC で使用 主に DMR-E30 で録画した動画の吸出しに使用

 購入の経緯を書き始めると長くなりますので割愛しますが, Pioneer DMR-E30 を購入したことに伴い,DVD-RAM も利用可能であること を第一にドライブを選択しました.DVD-RAM はスペック上の 書き換え回数が DVD-RW と比較して多く,また,信頼性が高いため, 私は書き換えメディアとして多用しています

 本ページでは,DVR-ABH2(日立LG GMA-4020B),LF-D521JDの説明を 行いますが,各種検証などに関しては,前者を中心に行います.なお, LF-D321JD ドライブはこれから新規で購入する人は少ないと思います ので,解説を省略します.ちなみにミドルタワーPCでは,TEAC製 CD-RW ドライブも併用し,CD-R/RWメディアに書き込めないと言う欠点を運用で 補っています.書き込み速度が1倍速と低速のため,最近は あまりこのドライブで DVD-R を焼かなくなりました…

■ハードウエア
■I/O Data DVR-ABH2
 同一ドライブの OEM メーカーとして,I/O Data, ADTEC, Radius, Logitec 等があり,価格的には I/O Data 製が若干高く売られています.しかし, OEM メーカーによってバンドルされているソフトが異なり,内容を加味して 考えると, I/O Data DVR-ABH2 が最もお勧めできるパッケージと言えると思います.

 例えば DVD-RAM の利用のためには DVD-RAM 用ドライバが必須ですが, このドライバの品質はメーカーによってかなりバラツキがあります.特に WriteDVD! はあまり評判がよろしくありません.また,DVD-RAM レコーダー で録画した DVD-VR フォーマットのデータを扱うためには,DVD-MovieAlbum もしくは,Ulead DVD MovieWriter (こちらは DVD-RW に記録されたものも 扱うことが可能) が必要になります.後者はパッケージソフトとして 8千円 前後で販売されていますが,前者はドライブ購入時にバンドルされてい ない場合,Panasonic製 DVD-RAM ドライブを購入したユーザーを対象に 行われている有償配布でしか入手できません.

 これらのことを考慮すると,たとえ他メーカーの商品が数千円安く とも,DVR-ABH2 を購入する方がメリットが大きいと考えられます. こちらのページ を参照して頂くと分かるとおり,バンドルソフトは至れり尽くせりです.

発売当初,人気商品だったこともありどこの店でも非常に品薄でした. しかし,日本橋では若干流通量が多かったようで,ソフマップで在庫アリな のを見つけ. 34,799円で購入.2003年4月現在,3万円を切っている店も 多く,安い所であれば 25千円を割っているようです.(少し悔しい)
豊富な対応メディア.
縦置きにも対応するので,BKi810 を縦置きしている場合にも安心です
豊富なバンドルソフト
同梱品.バンドルソフトは2枚のCD-ROMに収められています.
ドライブの奥行きは DVR-A03-J と比較してかなり短くなっています.
フロントベゼルは白系のクリーム色.燦然と輝く『DVD Multi』のロゴ
LEDは1つで,アクセスランプ,書き込みランプを兼ねています.どちらも 緑色表示であり,書き込み中は点滅になります.少し嫌かも(書き込み中は 橙色表示になると嬉しかった)
ドライブ裏側.ファンレス
Made in Japan です.リビジョンは A0.初物という感じです

 なお,基本的な仕様に関してはカタログに書いてある通りなのですが, GMA-4020B が一部のコアなユーザーに人気を博しているのには理由があり まして,

  • 台湾製メディアも2倍速で焼ける
  • プロテクト対応もバッチリで,CCCD や SD(SafeDisc)2.9 も焼ける
  • 日本国内で生産しているため,品質が良さそう
  • DVD+R,DVD+RWの読み込みが可能
  • 奥行きが短く,小型

 普通の人にはあまり関係のない部分もありますが,怪しい :-) ことにも 使えるということです.なお,台湾製メディアが2倍速で焼けるとは言え, メディアの品質を考えると等速で焼いた方が良い場合もありますので, ご注意を.
 この他,個人的に書いておきたいメリットとしては,DVD-R/RW メディアの 読み込み速度が x8/x8 倍速であることです.私の場合,もっぱら DVD-R は データ記録用として使用していますので,大変ありがたい.

 一方デメリットとして実際に使用してみて感じたのは,これまで使用 していた東芝のコンボドライブと比べて,かなりアクセス音がうるさいこと. 『フィィィィーン』といった感じの回転音がします.その他,DVD-R を 150枚以上焼くと,焼き込みが甘くなる(レーザー出力が低下する?)という 話もあるようです.私はまだ体験していませんが,書き込み後のコンペアで エラーが頻発する場合には,修理に出した方が良いでしょう.

■Panasonic LF-D521JD
 このドライブは,殻付きの DVD-RAM メディアが扱える Multi ドライブ が欲しいということで選択しました.前述の LF-D321JD を使い回しても良いの ですが,このドライブは CD-R/RW に書き込みができないのと,DVD-R の書き込み 速度が遅いのがネックであり,ベイ数の余裕が無い小型 PC に内蔵させるには 難があります.

 私の場合,CD-R の消費量が最近急激に減ってきてはいるのですが,やはり 無いと困るときが多々あります.イメージファイルを別 PC にネット ワーク経由でコピーして焼けばいいんじゃないかとの声も聞こえますが,容量 が大きいと結構手間ですので….DVD-R の書き込みに関しても同様のこと を感じ, 気が付いたら合計 4台もの DVD-R ドライブを購入していました….

LF-D521JD は箱売りされているものもありますが,バルク品を購入.2万7千円也.
日本橋では見かけませんでしたが,DVD-RAM ドライバのみが付属しているタイプであれば,2万5千円程度で売られているようです
バルク品ということもあり,バンドルソフトは B's recorder 5 BASIC (B's recorder,B's Clip, B's DVD)および DVD-RAM のドライバのみ.DVD-R/RAM レコーダと連携させるのであれば,MovieAlbum がバンドルされている箱売りがお勧めです
GMA-4020Bと同じように,黒いケースに包まれています.
DVD Multi のロゴ.BOX版とは少し印刷が異なります.OEM版でしょうか…
2003年3月の日本製.
トレーはこのように引き出されます.DVD-RAM のカートリッジ付きのタイプにも対応

 GMA-4020Bと殆ど同じ感じですが,

  • 台湾製メディアも『Princo以外』2倍速で焼ける
  • SD(SafeDisc)2.5,2.8が焼けたという報告有り.CCCDのリッピングもOK
  • 日本国内で生産しているため,品質が良さそう
  • DVD+R,DVD+RWの読み込みが可能
  • 奥行きがGMA-4020Bよりも若干長い
  • 動作音は静か(ファームウエアのアップデートも効果有り)
  • DVD-R/RWの読み込みスピードが共に6倍速

 のような感じで若干異なります.なお,あちこちの掲示板や雑誌に目を 通しますと,B's recorder GOLD5 で不具合が出る場合があるとか,DVD-R の焼き込み品質があまりよろしくない(他の DVD-ROM ドライブで読めない メディアが出来たetc)といった話が散見されます.

 まだまだ使い込んでいないので何とも言えませんが,若干不安を感じて います….あと,利用時の注意点として,裸メディア,所謂カートリッジの 無いメディアを挿入する際には,きちんとトレーに乗っているかを確認する 必要があります.少しでもずれていると,きちんとマウントしません. トレーの構造上の問題だと思いますが,次機種では改善を望みたい所です.

■Panasonic DMR-E30-S
 DVD レコーダは PC 用のドライブではありませんが,後ほど連携の話が 出てきますので,ハードウエア/周辺機器と言う意味で解説する ことにします.

 2002年に日韓共催でワールドカップが開催されるという絶妙なタイミング もあり,各社一斉に『綺麗に残そう』のようなキャッチフレーズで,DVD レコーダーの商戦に突入しました.テープメディアにアナログで記録する VTR の買い換え需要を狙った作戦だったようですが,この作戦は見事に当たり, JEITAの2002年5月発表データでは,前年同月比 247.6%もの出荷台数を記録したようです. 一方,VTR は同86.9%と減少したとのこと.

 レンタルビデオ店でも DVD-Video が置かれるようになって久しいですが, レコードやカセットテープが CD や MD にすっかり置き換えられたように, ビデオテープが DVD-Video と DVD記録メディアにリプレースされる時期が 来るのは,案外近いかもしれません.

Panasonic DMR-E30-S
2002年夏に近場の電器屋さんで購入.八尾育ちの嫁さんが,大阪弁で 値下げ交渉し,何とか 7万円台前半.Panasonic の3世代目. 廉価なこともあり,DVDレコーダ普及の原動力となったとも 言える機種です.

今(2003年4月)であれば,中古品扱いで3万円程度で購入可能なのだそうな. Panasonicからは DIGA というシリーズ名で後継機種がラインナップされており,DVDレコーダー機能 のみを求めるのであれば,DMR-E50 が 4万円台前半で購入可能なようです

内容物一式

前面と背面.ファン付きですが,家電製品らしく静かです

リモコンはTVも操作できるタイプ.多機能化に伴って ボタンが増えるのは致し方無いにしても,慣れてこないと 直感的に使えない(マニュアルを見ないと使えない)のは ちと面倒

背面のコネクタ類

TVアンテナ入力,外部入力3,出力2系統のほか,BS関係の各端子 および光デジタル音声出力,コンポーネント映像出力,D1/D2出力 などを装備.うちの場合,ハイビジョンでない普通の TV なので, 少々持て余し気味

ローボード内に設置.高さ的にはわりと低め
LDプレイヤーは追い出されてラックの外に…

AVアンプは YAMAHA DSP-AX620を使用しているのですが,ここまで 機器が増えると少々入出力端子数に不安が…

DVD-RAM は殻付きが使えます
最近の家電製品らしくメニューはグラフィカルに表示. しかし,メニュー階層が少々分かりにくいような気が.


DVD-RAM メディアは利用前にフォーマットが必要ですが,あっという間に 終わります

 こちらのページ(AV Watch) に詳細なインプレッションがありますので,詳しくはこちらを参照して ください.サンプル動画などもありますので,かなり参考になると思います.

 で,実際に使用してみて感じたメリットとしては…

  • やはり家電製品だけあり,PCで行うよりも録画や再生が容易かつ安心
  • デジタル記録のため,経年変化によって画質が劣化しないという安心感がある
  • MPEG2 エンコーダの性能が良く,また,TVの画質も綺麗
  • 早送り中も画面がきちんと確認できるので,VTRより便利
  • テープの巻き戻しの必要がないので便利
  • 録画毎にタイムスタンプが振られてメニュー一覧が出るので,頭出しも楽
  • CMカット等が本体だけで行え,簡易編集は十分行える
  • メディアサイズが小さいので,保管が楽
  • ファンの騒音を心配していたが,稼働時にも騒音が殆ど感じられない
  • 録画したものをデータとしてそのままPCに持っていけるので便利

 です.一方デメリットとしては…

  • 起動から実際に利用可能になるまでの時間が長い(10秒程度)
  • 録画媒体として 4.7GB は少ない
  • 高画質で記録すると片面2時間しか録画できない(標準画質であれば4時間)
  • DVD-RAMはオートリバースのようなことができないので,両面メディアを利用しても,録画可能時間を延ばせない
  • 録画予約中はプレイヤーとして利用できない(タイマーモードを一旦解除する必要がある)
  • MPEG2特有の不自然なノイズが見受けられる
  • OPTODISC製の DVD-R メディアとの相性が悪い

 DVD-R/RAM レコーダーは,松下製以外に東芝製のものが販売されています. 両者を比較すると,東芝製の方がチューナー性能は良く,エンコーダ性能は 悪いという話です.また,起動時の待ち時間は圧倒的に松下製が早く,東芝 製はかなり忍耐が必要なのだとか.

 デメリットの中で挙げた『不自然なノイズ』について少し解説すると, MPEG記録した場合,モスキートノイズ(エッジ部などにワサワサと蚊がまと わりついたように表示されるノイズ)やブロックノイズ(ブロック状に表示 されるノイズ)等が発生します.これはビットレートを下げた場合に顕著に 表れますが,高ビットレートで記録すればあまり気にならないでしょう. しかし,湖畔に移り込む雲の陰をヘリコプターで移動しながら空撮…のような シーンを MPEG 記録した場合,全体的な風景と雲の陰が非同期で移動している ように記録されてしまう(表現が分かりにくくてすみません)のようなことが 発生する場合があります.
 これらはアナログ的なノイズと異なり,発生した場合はかなり不自然さを感じ てしまうため,人によってはかなり違和感を感じるかもしれません.

 最後に『DVD-RAM の 4.7GB は少ない』に関してですが,ビデオテープに 3倍録画する程度のクオリティであれば,ビットレートを落として8時間程度は 録画出来ます.しかし,折角デジタルで記録するのだから出来るだけ高画質で 残したい…のように考えますと,絶対的に容量が不足します.

 私は『家電製品に壊れやすいディスクを入れるのはどうかなぁ』と,思って パスしていましたが,次回買い換えるとしたら,絶対に DVD-R/RAM と HDD が内蔵されたタイプにしたいと考えています

■ライティングソフト
■代表的な DVD ライティングソフト
 DVD-R にデータを書き込むためには,対応したライティングソフトが必要 になります.その殆どは CD-R ライティングソフトを拡張して DVD-R にも 対応させた製品ですが,代表的なものに以下のようなものがあります.

製品名 メーカー(国内)
B's recorder GOLD 5 BHA
nero express DVD PRO-G
Easy CD&DVD Creator6 ロキシオジャパン
Drag'n Drop CD+DVD3 イージーシステムズジャパン
RecordNow MAX 4.6 イージーシステムズジャパン
WinCDR 7.0 Ultimate DVD アプリックス
インスタントCD+DVD DX プロトン

 基本的に『DVD-R を焼く』機能に関しては,それほど差異は無いと思って 良いでしょう.私はアップデートの確かさ,直感的に使用できること, ベリファイ&コンペア機能を有すること等を考慮し,B's recorder GOLD5 を使用しています.しかし,どれを使用するかは,自分のフィーリングに 合ったものを選ぶということでも良いと思います.

 また,ソフトによっては,DVD-Video をオーサリングする機能が付加され ているものもありますが,この手の機能はそれ専用のソフトを 用いて行った方が良いでしょう.特におまけ機能的なものは品質が悪く, 例えば MPEG2 のエンコーダー画質が極めて悪いものが存在します.

■B's recorder GOLD5 で書き込む
 以下,B's recorder GOLD5 での実際の書き込み方法に関して, 簡単に説明します.なお,B's recorderは, BHAのページからアップデータを ダウンロードし,最新版にするようにしておいてください.以下の操作は, 5.28 で行っています.

B's recorder GOLD5 の起動画面.ウイザードにより,対話式に作業を行うことも可能
ウイザードを使用すると,このような画面で書き込みを行うファイルを登録できる
ウイザードを使用しない場合,この画面から書き込むファイルを登録する.エクスプローラ等から,ファイルやフィルダを右下のBOXにドラッグ&ドロップすると登録できる.
フォルダの登録例.下側中央に書き込むファイル,フォルダの一覧が表示される.ボリューム名を変更する場合は,ここの"VOL_...."部分をクリックし,変更する.

登録後,画面左上の『書込み』ボタンをクリックすることにより,書き込みシーケンス に移行.ファイルの総容量が少ない場合は,CD-Rに書き込むことができる.ウインドウ 中央のバーに,総容量および必要メディアが表示される

DVD-R ドライブが追記に対応している場合,このようなダイアログが表示されるので,どの形式で記録するかを選択する必要がある.

『追記可能な状態にして書き込む』を選択すると,データ容量 分だけ書き込まれるが,『互換性を重視し…』を選択すると,例えば2GBのデータ容量 であっても,ダミーデータが追加され,4GB 分書き込まれる.ただし,DVD-Video を 作成し,また,DVD プレイヤーで再生するような場合は,後者を選択した方が良いでしょう.

この画面で,書き込み方法や速度などを設定し,『開始』ボタンを押す ことにより書き込みが開始される.普通の環境であれば,所要時間を短縮 するために,『書き込みの種類』を『書き込みのみ』にし, 『オンザフライ方式』にしておくと良いでしょう.なお,『ベリファイ』, 『コンペア』は好みでチェックするようにしてください.私は普段,どちらにも チェックを入れるようにしています.

 詳しい使い方に関しては,マニュアルを参照してください.BHA のWebページ から,PDF化されたマニュアルをダウンロードすることも可能です.

 B's recorder 3 の操作に関しては,こちらのページ にまとめてあります.共通の部分は解説をかなり割愛していますので,こちらも 参照して頂けると幸いです.

■B's clip でパケットライト
 パケットライトで DVD-R/RW をフロッピーのように使用したい場合は,B's Clip を使用します.これも,使用開始前に最新版にアップデートしておくと良いでしょう.

B's clip が稼働している状態でブランクメディアをドライブに挿入すると, このようなウインドウが開きます.パケットライトで使用する場合,"B's Clip" を選びます.
ドライブを確認し,『次へ』を押します
メディアの状態が表示されますので確認し,『次へ』を押します.なお,ここでは DVD-R メディアを挿入しています
ボリューム名を入力し,『完了』ボタンを押すと,フォーマットが開始されます
DVD-RWの場合,物理フォーマット,論理フォーマットの2つが必要になります. この画面は物理フォーマット中の画面であり,約1時間ほどかかります.
論理フォーマットにも,約1時間ほどかかります.

 と,このように,DVD-RW メディアを利用する場合,下準備に2時間近く必要として しまいます.とは言え,CD-R/DVD-R のような書き換え不可のメディアの場合,ファイル の編集や削除などで容量を使い切ったらメディアの再利用はできません.そういった 意味では,1,2枚程度フォーマット済みのメディアを用意しておくと便利かと思います.使い勝手の点では,(ドライブが対応していれば)DVD-RAM の方が圧倒的に便利です.

 旧版のB's Clip の操作に関しては,こちらのページ にまとめてあります.共通の部分は解説をかなり割愛していますので,こちらも 参照して頂けると幸いです.

■つづき
 実際の利用に関しては,『CD-R/RW/DVD-R/RW/RAM 「DVD Multi」ドライブを使う2』に続きます.

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