■BKi810の電源に関して | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■BKi810で 外付けATX電源を使用する理由 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
BKi810 はその冷却性能(設計)のマズさもさることならが,電源ユニットの
性能(設計)にも問題があるようで,『電源ユニットが壊れた』と,いう話をよく
聞きます.壊れる理由は,ユーザーによる拡張のため,電源が過負荷に
陥ったのが原因の場合もあるようですが,ノーマルの状態で使用していても,
短期間の使用で壊れてしまうこともあるようです. BKi810の電源ユニットは汎用のATX電源ではなく,サイズもさることながら 結線 が特殊です.そのため,壊れてしまった場合にPCパーツショップで汎用品を 購入し,交換するというわけには行きません.また,この電源ユニットはごく 稀に秋葉原のパーツ屋で単体売りされているという話も聞きますが,潤沢に 流通しているものではありませんし,入手性はかなり悪いと言わざるを得ませ ん. そのようなわけで,いざ電源ユニットが故障した場合には,殆どの人が BKi810 をまるごと廃棄したりしているのではないでしょうか.しかし,ちょっと したケーブルを作成するだけで,汎用の ATX 電源を外付けで利用すること が可能になりますので,少ない出費で BKi810 を蘇生させることが可能に なります.また,既に拡張を行っており,大電力を消費するデバイスを使用し ている場合,よりパワフルな電源を利用することも可能になりますので, 長期間安定して利用できるようになるのではないかと思います.
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■電源が壊れた状況を考察する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
私の BKi810 の電源ユニットは,様々な拡張や酷使にも耐え(何度か
ショートさせてしまったこともありました :-<),1年近く頑張ってノートラブルで
動いていていました.しかし,高クロックなCPUに換装した際に,あっさり死ん
でしまいました.安全装置が働いて一時的に電源供給を停止ということも
無く,唐突に死に,そして復活しませんでした. この経緯に関してはBKi810 v3.3 で 1.1GHz PentiumIII を使うに詳しく書きましたが,原因は私の 拡張のし過ぎにあるのではないかなと思います.そこで,電源ユニットが昇天 した際に使用していた構成の消費電力を,カタログスペックで分かったものだ け調べてみました.
合計で約54[W]です.この他,ファンやM/Bの消費電力等も加わります ので,60[W]くらいかなと思います.(その他,BKi810 の場合,電源ユニット は 12[V] のみを供給し,M/B 上で 5[V]等に電圧を変換して供 給する仕組みになっているため,変換の部分でのロスもかなりあると思い ます) 数字だけで見ると,電源のカタログスペックである 100[W] を遥かに 下回っていますが,現実に壊れてしまっていますので,このくらい消費電力 であっても壊れる可能性があると言えそうです.もっとも,カタログスペックの 100[W] が,冷却面も含めて安定して長時間供給できるかということを 考えると,額面通り捉えて良いものかどうかは少々疑問を感じる所であり ます… 比較的消費電力の多い Athlon や Pentium4 の PC であっても,電源ユニットとして 150[W] のものを使用し ている場合もありますので,単に消費電力を数字の積み上げだけで考える のは良くないかもしれません.厳密に調べる場合は,各電圧における電流 供給可能量を積み上げた方が良いでしょう. ちなみに,本構成で比較的長期間安定して動いていた PentiumIII/750 [MHz] の最大消費電力は 19.5[W],Celeron 533A は11.2[W],PPGA 版 Celeron の 400[MHz] は 23.7[W]でした.こうして並べてみると,メーカーが 動作を保証している CPU として,飛びぬけて消費電力が多いのは PPGA 版 Celeron であることが分かると思いますが,PPGA 版 Celeron 最大の 消費電力を誇る Celeron 533[MHz] は 28.3[W] にもなります. CPU単体で見た場合,PentiumIII/1.1[GHz] は 33.0[W] と確かに消費 電力が多くなっていますが,PPGA 版 Celeron 533[MHz] と比較した 場合,その差は約 5[W] です.なお, 最近試した Celeron 1[GHz] の消費電力は最大 29.0[W] となってお り,それほど長期間使用したわけではありませんが,このときは安定して動作 していました. 考えれば考えるほど,純正電源の性能に対する謎は深まります.
[01/11/22] 追記
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■ATX電源について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■電源の仕様について | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
一般に自作PC用の電源として販売されている電源ユニットは規格が
定められており,汎用品となっています.最近はすっかり店頭で見かけなく
なりましたが,古くはAT電源があり,そして現在はATX電源
が一般的に利用されています.その他,MicroATX用のSFX,NLX,
PSIII等もありますが,基本的な仕様はATX規格に含まれます
(その他,WTX規格やSSI規格のような特殊なものも一部存在します).
※SFX電源の場合,コネクタ形状は ATX電源と同一ですが,-5[V]が省略されています. AT電源とATX電源の違いについて大雑把な言い方をしてしまうと, ATX電源はPC本体側から電源ON/OFFのコントロールが可能であり, また,低電圧CPUを効率良く動かすために,3.3[V]のような電圧も出力 しているといったところです. ATX,MicroATX,NLX,FlexATXの仕様の詳細に関しては, Desktop Form Factorsを参照してください. なお,『Pentium4 対応』や『Athlon対応』と,銘打って売られているもの も,基本的にATX仕様です.一般のものとの違いは,大電流を流すことの 可能なコネクタを増設していたり,一部電圧の電源容量を増やしたりして いるのみです(後者に関しては,最近の『普通の』ATX電源であれば, Athlonの要求するスペックに問題なく対応できています.そのため,最近は あまり『Athlon対応』と,書かれていない場合も多いです). |
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■ATX電源の仕様の概要とBKi810の電源コネクタのピンアサイン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ここでは,BKi810 で ATX 電源を外付けで使用するために必要な
情報のみ記述します.
※表中の『COM』は0[V]を指しており,GND(グランド)と同じ意味です.
この配線の色分け方法は,あくまでも ATX Ver 2.01 での仕様です.そのため,何らかの理由により,メーカーに よってはあえて異なる色を使用している場合もあります.BKi810 の電源 コネクタと接続する際には,配線の色はあまり信頼せず,Pin番号を確認 して接続するようにしてください.
※上記の表は, Amptron International Inc. - BKi810 Mainboard を参照して 作成しました. なお,ATX電源では +12[V] が1本しか出ておりませんが,BKi810 の電源では+12[V]が2本出ています.これは,1本あたり(正確には電線 の直径)によって流すことの可能な電流が制限されているためです.BKi810 はM/B上で他の電圧も生成するため,+12[V]に大電流を流す必要があり, 2本使用しているということです.
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■BKi810 にATX電源を接続する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ケーブルの加工と接続 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本当は電子パーツ屋でコネクタや線材等を購入し,きちんと作成
する方が良いのですが,今回は突然故障したということもあり,応急
処置的な方法で接続しています.長期間安定して動作させるため
には,間違ってもショートしないように,
きちんと結線するようにしてください.ショート等の電源周り
の事故は怖く,感電や発煙,発火の危険性もあります.十分注意して
作業を行ってください.
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■トラブルシューティング | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ATX電源を接続し,BKi810の電源ボタンを押しても電源が入らない
場合,まずは BKi810 のケースを開け,M/B 上のLEDが点灯
しているかを確認してください.
電源供給確認用LED 写真の中央部,CD-ROMドライブの下辺りに赤く点灯しているLEDが見える と思います.これが点灯していない場合,BKi810 の M/B に電源が供給され ていません.すぐに電源をコンセントから抜き,配線を確認してみてください.
LEDは点灯しているが,電源ボタンを押した際に一瞬だけCPUファン
が回るという症状が出た場合は,故障ではありませんので慌てなくてもOKです. 詳しく説明しますと,CD-ROMドライブまたはディスクに,ATX電源 から出ている4pin電源コネクタを接続し,PS-ONになった瞬間に周辺機器 に電流が流れるようにします.このようにしておくと,PS-ON時に周辺機器 の電源が入り, +5[V] に負荷がかかる->ATX電源がきちんと電力供給 開始するようになるとなるわけです. 余談ですが,CD-RWのような,大電力を消費しそうなデバイスに対しては, M/B経由ではなく,ATX電源から直接電力を供給するようにした方が安心 できそうです.
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■総括 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■まとめ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電源を外付けにしたことにより,いくつかのメリット,そしてデメリットが発生
しました. メリット:
デメリット:
個人的には安定性も増したように感じられ,大いに満足しています. しかし,スペースの問題は少々頭の痛い問題です.ATX電源からは沢山の ケーブル,コネクタが引き出されていることから,これらの取り回しも悩ましい 所です. そこで,たまたま最近購入した,FlexATX,NLX用の小型電源を使用して みることにしました.
かなりスペース的にも満足の行くものになりましたが,現在は先の 普通のATX電源を使用しています.この小型電源は,別の用途に 使用するつもりでしたので….また機会を見つけて,小型の電源を探して みようと思います. なお,本ページに記載されている内容を 参考に作業される場合は,あくまでも自己責任でお願いします.
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