■パフォーマンスについて | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
PCのパフォーマンスの指標はいくつかありますが,一般にベンチマークソフトを使用して計測し,
その指標とします.しかし,当然ながらユーザーによってPCの利用形態は異なるため,どのようなユーザーにとっても体感速度と完璧に合致するという指標は存在し得ません. 一般的によく使用されるベンチマークソフトは,CPUやディスクのピークスピードを検証するソフトで, 短時間でそれら速度を計測することが可能です.比較的容易に使用可能なため,このようなベンチ マークソフトのユーザーは多く,様々なスペックのマシン間でその指標をお互いに比較し,定量的に 差を比較することが可能です.しかし,このようなソフトにおいては,様々な負荷をかけた際のトータル パフォーマンスを計測することは困難です.そのため,指標を体感速度に近づけるべく,ユーザーが 使用する状態をシミュレーションし,その負荷を加えた環境下でのベンチマークを行うソフトがいくつか 存在します.当然ながらこのようなソフトは速度の計測に長い時間を費やし,簡単に,かつ瞬間的にそ のベンチマークを行うというわけには行きません. 今回 BKi810 がどの程度のパフォーマンスを持つかを計測するに際し,どのようなソフトを使用する かはこの点も考慮し,UNIX系で比較的定評のある,BYTE Benchを使用することにしました.また, Windows上でのベンチマークとしては,多くの人が使用している『HDBench』を使用することにしました. 前者は負荷をかけてのシステムのトータルパフォーマンスのチェック,後者はピーク性能のチェック に有効です.Windows上での負荷をかけてのベンチマークは,個人的にあまり乗り気でないという理由 で(笑),今回は見送りました.
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■BYTE Bench | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ベンチマークの環境について | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
['01/05/14] 構成(8)〜(11)のデータを追加 ['01/11/05] 構成(12),(13)のデータを追加 ベンチマークの環境は, BKi810 のv1.6およびv3.3を使用し,ByteBenchで 以下のような環境でテストを行いました.
※['01/11/05]構成番号 (12),(13)のデータ は, 『BKi810 v3.3 で 1GHz Celeron を使う』および 『BKi810 v3.6 で 1.1GHz PentiumIII を使う』 のデータを反映させて追加.メーカー保証外の動作環境である.
v3.3上でCeleron400を計測していなかったり,v3.3でMaxtor 96147U8を付けて計測 していなかったり,多少データ的に扱い辛いものがあるかもしれません.このような構成ででしか 計測しなかった理由は,他のマシンとの比較ではなく,このマシンでどのような構成がベターか を計測するのを目的としているからです.
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■BYTE Benchの結果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
['01/05/14] 構成(8)〜(11)のデータを追加 ['01/11/05] 構成(12),(13)のデータを追加 ByteBenchは『BYTE UNIX Benchmarks (Version 3.11)』を使用し,Linux の Vine 2.0 をインストールした直後の素の状態で計測しました.なお,FreeBSD系のページでは,Linux系の ページと比較して, Execl Throughput Test が異様に高い値が出ているページがあります. これは OS によるパフォーマンスの差ではなく,コンパイル時のパラメータによる差です.どうも FreeBSD の Port に入っている版では,static link してコンパイルしているようです.( K6-300 で試した場合, 同じ構成でも static link しているかそうでないかによって,107 対 14 という結果になってしまい, とても比較できたものではありません :-<) 今回は,static link しない状態でコンパイルし,計測しました.なお,BIOSの設定は,メモリ関係を チューニング済みの状態で行っています.
(略語の意味: 上記の値をグラフ化すると,以下のようになります.
ByteBench 結果グラフ CPUのスピードに直結するAri,Dhrの所に注目すると,当然ながらCPUクロックが上がっていくに 従ってパフォーマンスが上がっていくのが分かります.また,ディスクアクセスのパフォーマンスは, クロックに関わらず,Celeron400の時点で既に頭打ちになっているのも分かります.なお,ディスク としてMaxtor 96147U8,Maxtor 91531U3 の2種類を使用したわけですが,パフォーマンスに 著しい差が見られました.これに関しては,後述します.
['01/05/14]追記
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■BYTE Bench の結果を読む | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
['01/05/14] 構成(8)〜(11)のデータを追加 ['01/11/05] 構成(12),(13)のデータを追加 それではこの BYTE Bench の結果データを加工し,File以外の値をクロック比で見てみましょう. Celeron400 を 1.0 として見たデータをグラフ化したものを,以下に示します.
ByteBench 結果のクロック比グラフ("C","P3"はそれぞれ "Celeron","PentiumIII"を意味する.) ここでは Maxtor 91531U3 を使用した構成のみをグラフ化しています.このグラフを見て 分かることは, Exe および Shell 以外のデータはほぼ 1.0 に近くなっており, CPU クロックが 上がるとそれに比例してパフォーマンスが上がっていることです.しかし, Exe と Shell は クロック比に比例して上がるという感じではなく,またこれら2つは同じような変化を示しています. Exe , Shell の値は通常のプログラム実行時のパフォーマンスを表しているため,これ はかなり気になる結果です. このデータだけで結論を出すのは危険ですが,そこをあえて考察すると,
のような感じのことが言えているのではないかなと思います. 本当にこの傾向は正しいのか,PPGA版のCeleron 533MHzや,CPU クロックの同一な 100MHz,133MHzそれぞれのバスクロックで動作するPentiumIII,より高速な PentiumIII で 確認してみたいところです.
['01/05/14] 追記
['01/11/05] 追記
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■ディスクの謎 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前述のByte bench の結果において,Maxtor 96147U8 と 91531U3 の間で凄まじく
パフォーマンスに差が出る件についてです. これらのテストは,全て UltraDMA 33 モードで行っています.スペック上は 96147U8 の方が 良いため,96147U8 の方が良いパフォーマンスを出すはずです.しかし,結果は逆でした. 確認の意味も込めて,それぞれのディスクのスペックを,データシートから比較してみました. この2種類のディスクで異なる点は,容量,ヘッド数,ディスク枚数,スタート時間,内部転送 スピード,キャッシュ容量のみです.アクセス速度に影響のありそうな内部転送スピードとキャッシュ 容量を見てみますと,それぞれ 40.8MB/sec vs 36.9MB/sec,2MB vs 512KB というように なっており,どう見ても 96147U8 の方がワンランク上です. それではということで,Linux 上で hdparm コマンドを使用し,ベタでの転送スピードを調べて みました.
予想通り,96147U8 の方がパフォーマンスが良いという結果になりました. 結論として,96147U8 の方がパフォーマンスが低くなる原因は掴めませんでした.想像 するに,データが置かれているディスク上の場所が,内周か外周かによる差や,ディスクの OSによる使われ方による差ではないかなと思います…やや歯切れの悪い結論ですが… |
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■Byte Bench 総括 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
以上のような結果を踏まえると,次のようなことが言えそうです.
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■追記[00/12/10] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
PentiumIII/800EB MHz(133MHz*6)で ByteBench を走らせる機会がありましたので,
その結果と BKi810 での結果と比較してみます.なお,この CPU を試したマシンは BKi810
ではなく,また,チップセットも VIA製 ですので,値は参考程度に見てください.
ByteBench 結果のクロック比グラフ2 グラフ中の(**)が今回チェックしたPCです.BKi180とはチップセットの違いがあるため,そのまま 比較するのはやや危険ですが,クロック比で Exe,Shell の項目のパフォーマンスが再び急激に 伸びています.これまでに確認したデータと付き合わせると,ベースクロックを 133MHz にする ことにより,かなりのトータルパフォーマンスアップが望めそうだということが言えそうです. BKi810 の V3.3A に i810E を使用したタイプが発売され,そしてこのタイプではベースクロック 133MHz が正式にサポートされたようです.このタイプでも同様の結果が出るのか.また,より高クロック の CPU を試し,ベースクロック 133MHz化 の恩恵がどの程度の CPU クロックまで効果があるのかを 試したいところです.
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■HDBench | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■ベンチマークの環境について | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
HDBenchでは,v3.3のみを計測対象として行い,Celeron 533A,Pentium III 650MHz,
750MHZの各CPUでどの程度差が出るか,およびBIOS上でのメモリパラメータチューニングがどの
程度パフォーマンスに影響を与えるかを計測しました.システムの環境は,前記したByte Benchを
計測した際のv3.3と同じです.
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■HDBenchの結果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
['01/11/05] 構成(7)〜(10)のデータを追加 HDBenchは2.610を使用してベンチマークを行いました.マシン側の環境は,Windows98の素の状態 に添付されているCD-ROMに入っていたドライバをインストールした状態で行った結果は以下の通りです. (ビデオのドライバは,『 Intel(R) 810 Chipset Graphics Driver 4.11.01.2555』を使用しています) なお,HDBenchは 2.610 よりも新しいバージョンが出ておりますが,過去に計測したデータと比較した いがため,あえてこのバージョンで計測しています.
HDBench の結果グラフ |
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■BIOSチューニングの結果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
BKi810は,メモリアクセスのタイミングを BIOS 上からチューニングすることが可能です.BIOS
上の設定を変更し,メモリアクセスを最適化した結果のパフォーマンスアップの度合いを計測した
結果を以下に示します.なお,前記の環境とは異なり,解像度として800x600の24bitの他に,
1024x768での16bit,24bitでの結果を測定しました. 具体的なチューニング方法に関しては, v1.6におけるBIOSチューンおよび, v3.3におけるBIOSチューンを参照してください.
HDBench の結果グラフ(BIOSチューニング後) |
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■BIOSチューニングの効果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
BIOS チューニングの効果を見るために,同一条件で計測した,(2)と(A1),(4)と(B2),(6)と(B3)を
比較してみます.以下の図は,それぞれのベンチマークの値から,どの程度パフォーマンスが上昇し
たかをパーセント表示でグラフ化したものです.
BIOS チューニングによるパフォーマンスの向上 予想に反して,メモリの転送スピードはあまり向上していません.しかし,グラフィックに関する 部分はかなり向上しているのが分かります.グラフィック部分のパフォーマンスが向上した理由は, i810のグラフィック機能は,メインメモリの一部を Video RAM として使用しているからかもしれません. その反面,PentiumIII を使用した場合,ディスクアクセスに関してはパフォーマンスが 低下しています.そのようなわけで,トータルとしてみた場合,BIOS 上でメモリ関係のパラメータ をチューニングするか否かはかなり悩ましい結果になっています. ここで重要なのは,グラフの縦軸は[%]表示だということです.Celeron 533A の矩形表示の パフォーマンスは劇的に向上していますが,それ以外の項目は,数%の変動を見せているのみ です.ある意味,BIOS チューニングによるパフォーマンスアップの度合いは,誤差の範囲内では ないかとも取れる程度だという結果になりました. (ただし,BIOS上で一つ一つのパラメータをチューニングすることにより,本ページの結果とは異なった 結果が出る可能性もあります) |
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■HDBench総括 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
以上のような結果から,次のようなことが言えそうです.
ちなみに,4,5 の根拠としたのは,以前私が使用していた以下のような構成のマシンとの比較を 行った結果です.以下のような構成は,'99年の標準的なパフォーマンスを持ったマシンだと言えると 思います.
PentiumIII/450+440BX マシンとのパフォーマンス比較 結論として,ゲームのような 3D グラフィックをバリバリ使用するようなソフトや,多色高解像度を 必須とするグラフィックソフトを多用するような場合を除いて,BKi810 は必要かつ十分なパフォー マンスを持っているといえそうです. |